(皮膚細菌感染症の概要 皮膚細菌感染症の概要 皮膚は、細菌感染を防ぐ非常に優秀なバリアとしての役目を果たしています。皮膚には外界の様々な細菌が接触するほか、元から皮膚に生息している細菌も多くいますが、正常な状態では、これらの細菌の感染が成立することはありません。皮膚細菌感染症が起きた場合、その範囲は小さな点状のものから、体表面全体に及ぶものまで様々です。重篤さの程度も、害のないものか... さらに読む も参照のこと。)
リンパ液は、体の最も細い血管からにじみ出る液体です。液体は細胞間を移動して栄養をもたらし、損傷した細胞、がん細胞、感染性の微生物を運び去ります。すべてのリンパ液はリンパ管を通り、要所要所に配置されたリンパ節を通過します。リンパ節では、リンパ液から損傷した細胞、がん細胞、異物がこし取られます。リンパ節内の特殊な白血球は、損傷した細胞、がん細胞、感染性微生物、異物などを飲み込んで破壊します。
レンサ球菌は、通常は腕や脚にできたひっかき傷や創傷から、リンパ管(免疫系 免疫系の概要 人間の体には、異物や危険な侵入物から体を守る仕組みとして、免疫系が備わっています。侵入物としては以下のものがあります。 微生物( 細菌、 ウイルス、 真菌など) 寄生虫(蠕虫[ぜんちゅう]など) がん細胞 移植された臓器や組織 さらに読む の一部分― リンパ系:感染に対する守りを助ける リンパ系:感染に対する守りを助ける )に侵入することができます。皮膚やそのすぐ下の組織に生じたレンサ球菌感染症(蜂窩織炎 蜂窩織炎 蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、皮膚とそのすぐ下の組織に生じる、広がりやすい細菌感染症です。 この感染症の最も一般的な原因はレンサ球菌またはブドウ球菌です。 患部の皮膚に発赤、痛み、圧痛がみられるほか、しばしば皮膚を触ると熱く感じたり、一部の人では発熱や悪寒が生じたり、より重篤な症状が現れたりすることもあります。 医師の診察や、ときに臨床検査の結果に基づいて診断されます。 この感染症の治療には抗菌薬が必要です。 さらに読む )がリンパ管に広がることもしばしばあります。まれに、ブドウ球菌など他の細菌が原因になることもあります。
症状
感染した腕や脚の皮膚に、赤くなって熱を帯びた、圧痛を伴う不規則なすじが出現します。それらのすじは通常、感染部位から鼠径部(太ももの付け根)や腋窩(わきの下)などのリンパ節の集まる部位に向かって伸びていきます。リンパ節は腫れて圧痛を感じるようになります(リンパ節炎 リンパ節炎 リンパ節炎とは、1つまたは複数のリンパ節に感染が起きて生じる病気で、通常はリンパ節に腫れと圧痛がみられます。 ( 皮膚細菌感染症の概要も参照のこと。) リンパ液は、体の最も細い血管からにじみ出る液体です。液体は細胞間を移動して栄養をもたらし、損傷した細胞、がん細胞、感染性の微生物を運び去ります。すべてのリンパ液はリンパ管を通り、要所要所に配置されたリンパ節を通過します。リンパ節では、リンパ液から損傷した細胞、がん細胞、異物がこし取られま... さらに読む を参照)。
リンパ管炎のよくみられる症状は発熱、悪寒戦慄、頻脈、頭痛などです。ときに、これらの症状が赤いすじの出現より前に生じることもあります。感染がリンパ系から血流へ及ぶことで(菌血症 菌血症 菌血症とは、血流の中に細菌が存在する状態のことです。 菌血症は、日常的な行為(激しい歯磨きなど)、歯科的または医学的処置、もしくは感染症( 肺炎や 尿路感染症)が原因で起きることがあります。 人工関節や人工心臓弁を使用している人や心臓弁に異常がある人では、菌血症が長引くリスクや菌血症で症状が生じるリスクが高まります。 菌血症では通常、症状はみられませんが、ときに特定の組織や臓器の中で細菌が増殖して、重篤な感染症を引き起こすことがあります... さらに読む )、全身にわたる感染症が引き起こされることがあり、しばしば驚くべき速さで進行します。
診断
医師による評価
リンパ管炎の診断は、その典型的な外観に基づいて下されます。
必要に応じて行われる血液検査では、感染に対抗するために白血球の数が増加していることが明らかになるのが通常です。
病原菌が血流を介して広がっているか、感染部位の傷から膿が採取できなければ、感染症の原因になっている微生物を特定することは困難です。
治療
抗菌薬
抗菌薬を使用すれば、大半の人がすぐに回復します。