結膜とは、まぶたの裏側から折り返して強膜(眼を覆う白く丈夫な線維の層)を覆い、角膜(虹彩と瞳孔の前にある透明な層)の縁まで続いている膜です(眼の構造と機能 眼の構造と機能 眼の構造と機能はとても複雑です。眼は、入ってくる光の量を調節し、見るものの距離に応じて焦点を合わせ、その画像情報を瞬時に脳に伝えるという働きを絶えず行っています。 眼球は、眼窩(がんか)という骨で囲まれた空間に収まっています。眼窩の中には、筋肉、神経、血管、そして涙を分泌し排出する器官もあります。眼窩はいくつかの骨が組み合わされて形作られ... さらに読む を参照)。結膜は小さい異物や感染症の原因となる微生物が眼の中に入るのを防ぐとともに、涙液の層を維持して眼を守っています。
最も一般的な結膜の病気は、炎症(結膜炎)です。炎症の原因は、以下のものを含め、数多くあります。
細菌(クラミジア クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis) クラミジアは、性感染症(STI)や眼の感染症、気道感染症などの病気をヒトに引き起こす細菌です。 ヒトに病気を引き起こすクラミジア属(Chlamydia)細菌は以下の3種類です。 クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)... さらに読む )、ウイルス、真菌の感染(感染性結膜炎 感染性結膜炎 感染性結膜炎とは、通常はウイルスまたは細菌によって結膜に炎症が起きる病気です。 細菌やウイルスが結膜に感染を引き起こします。 目が赤くなるほか、流涙(りゅうるい)または目やにがよくみられる症状で、光に過敏になる人もいます。 衛生対策を行うことで、他方の眼や他の人に感染が広がるのを防ぐことができます。... さらに読む を参照)
目に入った化学物質や異物
日光への過度の曝露
結膜炎は比較的短期間で完治する傾向にありますが、なかには数カ月から数年間続くものもあります。結膜炎が長期化する原因としては、慢性的なアレルギー、慢性感染症(トラコーマ トラコーマ トラコーマ(顆粒性結膜炎、エジプト眼炎)は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌によって引き起こされる長期に渡る 結膜の炎症です。 通常、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)は、気温が高く、乾燥した、発展途上国の子どもたちの眼で感染が... さらに読む )、まぶたが外側にめくれてしまうこと(眼瞼[がんけん]外反 まぶたの内反と外反 まぶたの内反(眼瞼[がんけん]内反)は、まぶたが眼の方向、つまり内側に反転(内反)した状態で、まつ毛が眼球にあたります。まぶたの外反(眼瞼外反)は、まぶたが外側に反転した状態で、まぶたの縁は眼球には触れません。 まぶたの内反とは、まぶたが内側 さらに読む )や内側に巻きこまれてしまうこと(眼瞼内反 まぶたの内反と外反 まぶたの内反(眼瞼[がんけん]内反)は、まぶたが眼の方向、つまり内側に反転(内反)した状態で、まつ毛が眼球にあたります。まぶたの外反(眼瞼外反)は、まぶたが外側に反転した状態で、まぶたの縁は眼球には触れません。 まぶたの内反とは、まぶたが内側 さらに読む )による慢性的な刺激、特定の点眼薬、慢性的な眼の乾燥などがあります。原因にかかわらず結膜炎患者に典型的な症状は似通っていて、眼が赤くなったり目やにが出たりします。結膜炎の中には、かゆみまたは刺激感を引き起こすものもあります。
強膜とは、眼の外側を覆っている白く丈夫な膜です。眼を構造的に強くする役割があり、眼球の穿通(せんつう)や破裂を防いでいます。まれに、強膜が炎症を起こすことがあります(強膜炎 強膜炎 強膜炎は、強膜(眼を覆う白く丈夫な線維性の組織)の重度で破壊的な炎症で、視力を脅かすことがあります。 強膜炎は、ときに、全身性の炎症性疾患がある人に起こることがあります。 主要な症状は、眼の奥深くでうずくような痛みです。 診断を確定するため、ときに画像検査が行われます。 治療は一般に、コルチコステロイドの投与から始められます。 さらに読む )。
上強膜とは、強膜を覆う薄い組織の層です。上強膜に含まれる微小な血管から強膜に栄養が供給されています。ときに上強膜に炎症が起こることもあります(上強膜炎 上強膜炎 上強膜炎とは、強膜(眼を覆う白く丈夫な線維性の組織)と結膜(まぶたの裏側と白眼部分を覆う膜)の間にある組織に起きた炎症です。 通常は原因不明です。 眼が赤くなる、腫れる、眼の刺激感などの症状が現れます。 上強膜炎は自然に完治することもありますが、コルチコステロイドの点眼薬を使用すると、症状がより速やかに消失することがあります。... さらに読む )。
眼の内部の構造
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